馬渕知子先生による美しくなる処方箋コーナー。健康食品にもスキンケアにも精通した内科学・皮膚科学のスペシャリストが、体の内側と外側からの賢いケアを具体的に解説します。

Vol.8 心や肌のバランスを整えるアロマ活用術

2015.09.07

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アロマで肌ケアができる秘密

   今年の夏は、猛暑が続いた上、ジリジリと肌に照りつける紫外線を感じる日が多かったのではないでしょうか。そんな夏を過ごした肌は、相当のダメージを受けている可能性があります。そのような疲れ肌には、残暑が追い打ちをかけて、肌の老化を促進させるばかりでなく、肌トラブル、肌荒れを引き起こしかねません。

 「残暑の時期」は、夏の疲れ肌を回復させながら、季節の変わり目に動じない強い肌をつくっていくことが美肌をキープするポイントになります。

 そんなときに注目して欲しいのが「自律神経のケア」。自律神経とは、私たちが無意識で行っている体内の働きや反応をコントロールしてくれている重要な神経ですが、この自律神経が肌の状態にも大きく関係しているのです。

 ですから、自律神経が乱れれば、肌のターンオーバー(皮膚の入れかわり)が乱れたり、潤いが不足したり、アトピー性皮膚炎が悪化したりと、肌に様々な症状が起こる可能性があります。

 では、肌も自律神経もケアするためにはどうすれば良いのでしょうか?

 ここで活躍してくれるのが『アロマ(芳香)』です。アロマセラピー(香りを使った療法)という言葉を耳にすることも多いかと思いますが、植物が持つ香りや有効成分が凝縮された精油を使うことで、乱れた自律神経を良い状態に導き、免疫力を改善、体の不調やストレスなどを癒す働きがあると言われています。

 このアロマを取り入れることで、体だけではなく肌のダメージや不調の改善・回復にも相乗効果が期待できるのです。

 

アロマと肌の密接な関係とは?

 先ほど、自律神経が肌の状態に関係すると話しましたが、不思議に思われた方も多いかもしれません。普通に考えれば、「皮膚」と「神経」はまったく別物のように思うからです。

 しかし「皮膚」「神経」は、私たちが人間として育っていく過程で「外胚葉」という同じ起源の細胞層から出発し成長を遂げていく、切っても切り離せない密接な仲にあるのです。

 ですから、皮膚にストレスがかかることで精神的な部分に支障が生じることもあれば、逆に、メンタル的な部分でのストレスが肌トラブルを引き起こすこともあります。

 この時、最も皮膚に影響を及ぼす可能性のある神経が「自律神経」です。

 自律神経は、交感神経と副交感神経という真逆の働きを持つ2つの神経を巧みに操作しながら、私たちの意志とは無関係に人間の生命を維持し、健康的な状態を保つ働きをしている神経です。

 自律神経は、様々なことから影響を受けますが、今回注目して欲しいのは大脳の「大脳辺縁系」「視床下部」。私たちの脳は、場所によって役目が違っていますが、この大脳辺縁系と視床下部は自律神経に影響を与えやすい部分なのです。

 

≪大脳辺縁系≫

 人間の脳の中で、喜びや悲しみ、怒りなどの感情を表出したり、食欲・性欲睡眠浴などの本能を左右したり、睡眠や夢に関係する部分ですが、記憶や自律神経の活動にも大きく関与しているといわれています。

 

≪視床下部≫

 間脳という場所の一部で、自律神経の最も複雑、かつ精巧な中枢とされる場所です。体内の代謝機能、ホルモン分泌機能、体温調整機能、心臓血管機能などを調整する、生命を維持するための中核的な役割を担っています。

 

    つまり、自律神経を安定させて最も良い状態にするためには、この大脳辺縁系と視床下部に働きかけることがポイントになるという訳です。

 そして、大脳辺縁系と視床下部に良い作用をもたらすと考えられているのが『アロマ』なのです。

 

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脳に働きかけ、メンタルにも良い影響を与える

 「バラの香りで気分が華やかになる」「ヒノキの香りでリラックスする」「ミントの香りですっきりする」など、香りによって気分や気持ちに変化が出たなどという経験はないでしょうか?

 アロマ(芳香)には、昔から人間の体調やメンタル部分に良い影響を与えることが分かっており、植物の香りや成分を凝縮させた精油は「健康維持」「リラックス効果」「美容効果」など幅広く利用されています。

 このアロマを使った『アロマセラピー』には、次のような作用があるといわれています。

 

①嗅覚を通して、大脳辺縁系・視床下部に作用する

 香りは鼻から体内に入り、鼻内の奥にある嗅神経(香りを認識し、脳に伝える神経)に到達し、その後、大脳辺縁系に伝わります。大脳辺縁系は、私たちの様々な感情や記憶に関係するだけではなく、自律神経などの調節も担っています。さらに、香りは大脳辺縁系を経たあと、自律神経の統合中枢ともいわれる視床下部へも作用するとされています。

 アロマの働きが、この大脳辺縁系や視床下部のストレスや負担を取り除くことで、自律神経やホルモンのバランスを整え、体の不調を改善し、免疫力を元に戻すサポート役として期待が持てます。

 

②脳に直接働きかけることで、うつ病や認知症の予防・改善に期待

 記憶や情動・感情に関係する大脳辺縁系の海馬や扁桃体、視床下部にアロマは直接働きかけ、刺激を与えることで、うつ病や認知症の予防・改善に期待が持たれています。

 

③血液循環による体への作用

 希釈したエッセンシャルオイルの成分が、皮膚や肺から毛細血管に到達し、血液から各臓器や筋肉などにアロマの作用が届くといわれています。

 アロマには、非常に良い働きがたくさん詰まっていますが、植物ごとに持っている作用は違いますし、また、その時の体調や状態などによっても適したアロマは違ってきます。今の自分に最も見合ったアロマを選ぶことが、大切になります。

 

≪夏の終わりにオススメしたいアロマ》

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ローズマリーの葉には、消臭や殺菌作用があり、お肉の臭みを消し、鮮度を保つだけではなく、消化を促す働きもあるとされ、フランス料理やイタリア料理によく使われるハーブのひとつです。
このローズマリーから取れる精油には、体や心に役立つ作用もあるといわれ、アロマセラピーの世界でも活用されています。集中力や記憶力アップ、神経症状の緩和や疲労回復、ニキビや吹き出物などの予防・改善など様々な効果が期待されています。
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ローズマリーの優れた効能あれこれ

 ローズマリーは、栽培された地域によって、香りや成分が異なりますが、今回は、その中でもオススメなモロッコ産の「ローズマリー・シネオール」について紹介したいと思います。
 
≪心への作用≫
    日頃の疲れから、気分にムラがある、集中力が保てないようなときに役立つといわれるのが、ローズマリーです。
 頭をリフレッシュさせ、スッキリとさせてあげる働きから、集中力や記憶力アップにも期待が持てます。また、落ち込んだ気分を明るくさせるような効果もあると言われ、メンタル的部分のサポートにも!!
 
≪体への作用≫
  モロッコ産のローズマリーには、うっ血除去作用や粘液溶解作用がある1.8シネオールという成分が多く含まれています。
     この働きから、痰や鼻水などの改善に役立ち、鼻や喉などの呼吸器系の不調に使われることがあります。
     また、血液の流れを良くする働きもあり、神経症状の緩和や疲労回復、冷え症などにも活用されています。
 
≪肌への作用≫
     脂性肌の予防・改善に役立つと言われています。
     また、抗菌作用からニキビや吹き出物などの予防・改善、デオドラント作用から体臭予防にも期待がもてます。育毛などにも有効とされているので、頭皮ケアにも。
 
【気分でセレクト!! アロマ活用法】
    『アロマ』の使い方は多種多彩。今の自分に一番ピッタリなアロマを選んだあとは、色々な方法でアロマを活用すると良いでしょう。
 
★アロマランプやアロマプレートで芳香浴を楽しむ。
★ 部屋にミストタイプのアロマを常備。気分が優れないとき、落ち込んだときなど、ちょっとしたときすぐに活用。
★入浴時にエッセンシャルオイルを湯船に垂らす、浴室にアロマミストをすることで全身からのアロマセラピーに。
★タオルや寝具に。
★ ボディクリームやボディオイルに混ぜて、スキンケアやマッサージに。
★携帯用のアロマミストを常備すれば、外出先でもアロマケアが簡単に。
★車内にも常備。
 
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先生プロフィール画像2.jpg馬渕知子先生プロフィール

 

マブチメディカルクリニック医院長。内科医、皮膚科医。東京栄養食糧専門学校副校長。東京医科大学医学部卒業。東京医科大学病院に勤務後、マブチメディカルクリニックを開院。内科学・皮膚科学専門だが、あらゆる科との提携を結び、多面的に人間の体を総合的にサポートする医療を推進している。親しみやすい人柄でTV、雑誌など数多くのメディアで活躍中。

 

 

 

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