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ヘルスケア 2019.06.20

"納豆博士"に聞く!「ナットウキナーゼ」の パワー

近年増えている心筋梗塞や脳梗塞などの血管性疾患。その原因となる血栓を溶かすとして注目を集めているのが、「ナットウキナーゼ」です。"納豆博士"として知られる倉敷芸術科学大学名誉教授の須見洋行先生に、そのパワーについてうかがいました。

近年、日本では心筋梗塞や脳梗塞などの血管性疾患が増えています。その原因となる血栓を溶かすとして、注目を集めているのが日本の伝統食品、納豆に含まれる酵素「ナットウキナーゼ」です。"納豆博士"として知られる倉敷芸術科学大学名誉教授の 須見洋行先生に、ナットウキナーゼのパワーについてうかがいました。

《ナットウキナーゼの発見者》
須見 洋行(すみ・ひろゆき)先生
医学博士。倉敷芸術科学大学名誉教授。納豆の血液凝固線溶研究の第一人者。1980年(発表1986年)ナットウキナーゼ発見。以来 "納豆博士"としてTV、ラジオ、新聞などで幅広く活躍中。

遊び心で試したことが世紀の大発見に!

私は1978年から2年間、米国・シカゴ大学医学部の研究所で血栓を溶かす酵素の研究をしていました。日本語を話す機会もほとんどなく、毎日研究所と寮の往復。日本のものが無性に恋しくなり、日本にいるときには興味がなかった美空ひばりの曲を聞いたりもしました。
納豆もその一つです。日本食材店で冷凍の納豆を買ってきて、ねぎのかわりに、たまねぎの芽が伸びた部分を細かく切って入れ、よく食べていました。

納豆を食べているとき、ふとひらめいたんです。血栓はたんぱく質でできている、大豆のたんぱく質を溶かす納豆菌は血栓のたんぱく質も溶かすのではないかと。そこで朝食に食べた納豆の残りを思いつきで研究所に持っていきました。シャーレと呼ばれるガラスの器の中に人工的に血栓をつくり、その上に納豆を乗せたところ、見事に血栓が溶けたんです。
当時研究していた血栓溶解酵素よりも短時間で、しかもたくさん人工血栓を溶かした。これはすごい発見だと思い、帰国後も実験を重ねたのです。その後、1986年に学会で、「ナットウキナーゼ」と名付けたその酵素が、血栓を溶かすことを発表しました。

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血栓溶解に多角的にアプローチ

さらに研究を進め、ナットウキナーゼには、血栓の主成分であるたんぱく質フィブリンに直接作用して分解(溶解)するはたらき、そして体内にある血栓溶解酵素であるウロキナーゼの前駆体プロウロキナーゼを活性化するはたらき、さらに血栓溶解酵素プラスミンをつくり出す組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)量を増大させるはたらきがあることがわかりました。

このように血栓を色々なアプローチから溶解するのがナットウキナーゼの特長です。血栓を溶かすはたらきが強いだけでなく、その持続力にも驚くべきものがあります。
一般的に心筋梗塞の治療に使われる薬の場合、血栓を溶かす持続時間は4~20分程度。一方、ナットウキナーゼは、経口以下で8~12時間も作用し続けるのです。

脳梗塞、心筋梗塞の予防に役立つ

血栓症は、現在日本人の死因の中で、がんに次いで2番目に多い心筋梗塞や脳梗塞といった疾患のリスクを高めます。血栓症と聞くと太い血管が血栓で詰まり、急激に症状の出るものをイメージするかもしれませんが、実は血栓による血液循環トラブルが原因で起こる慢性的な病気も多くあります。それらを含めると、おそらくその総数はがんをはるかに超えると考えられます。

たとえば、寝たきりになる直接の原因としてもっとも多いのは脳卒中ですが、次いで多いのが認知症です。血管性認知症の多くは血栓症によるものといわれています。つまり、ナットウキナーゼは、寝たきりになるリスクを遠ざけ、介護を受けずに自立した日常生活が送れる期間、「健康寿命」を延ばすことが期待されるのです。

ナットウキナーゼは、アルツハイマー型認知症の原因になるアミロイドβ(ベータ)たんぱくの分解にも効果があるのではないかと、現在研究がすすめられているところです。

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ナットウキナーゼをとるなら日曜の夜!?

私たちは夜寝ているときは、筋肉を動かすことが少ないため、血液がかたまりやすく、血栓ができやすいといわれています。そこで、おすすめしたいのがナットウキナーゼを夜にとること。夕食後や寝る前にとっておけば、就寝中に血栓ができるのを防ぐことが期待されます。

また、最近の研究で、1日11時間以上働く中年男性は、7~9時間の標準的な勤務時間の人に比べて急性心筋梗塞を発症するリスクが1.6倍になることが報告されています。毎日11時間以上働いている人には、労働時間の短縮とともにナットウキナーゼもおすすめしたいですね。

心筋梗塞の発作は月曜日の午前中に多いというデータもあります。リラックスした週末に、明日からまた仕事だ...という急激な気持ちの切り替わりが加わると大きなストレスとなるのです。毎日ナットウキナーゼがとれないという人も、日曜日の夜にはぜひ摂取してみてください。

また、出張などで飛行機に乗ることが多い方にもナットウキナーゼがおすすめです。ロングフライト症候群の予防に役立ちます。狭い機内で長時間同じ姿勢でいると血流が悪くなって、脚の静脈に血栓ができ、それが肺に流れ込んで血流が詰まってしまうことがあるのです。長時間のフライトでは、とくに注意が必要。飛行機に乗る前にとるといいですね。

おいしい納豆は、ナットウキナーゼの活性も高い

これまで200種類以上の食品を研究してきましたが、できてしまった血栓を溶かすのは、納豆に含まれるナットウキナーゼくらいでした。

食品、つまり納豆からナットウキナーゼをとるなら、1日1~2パック(50~100g)を目安に、毎日食べるのがおすすめです。ただし、ナットウキナーゼは熱に弱いため、納豆は加熱せず、ねぎなどの薬味を加えてそのまま食べるのがいいですね。

納豆を選ぶときのポイントとしては、おいしい納豆を選ぶこと。おいしい納豆というのは、うまく発酵して、うまみが出ています。つまり、おいしさはナットウキナーゼの活性とよく相関しているのです。
納豆の粒の大きさについては、一概にどれがいいとは言い切れないようです。おいしく食べるために、色々な種類の納豆を試してみるのがよいと思います。また、サプリメントなどでとるのも、手軽に効率よく摂取する、ひとつの方法だと思います。

※この記事は、DHCカタログ「みんな、げんき?」7月号に掲載されたものです。
更新日/2019.06.20

PROFILEPROFILE

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医学博士須見洋行
倉敷芸術科学大学名誉教授。納豆の血液凝固線溶研究の第一人者。1980年(発表1986年)ナットウキナーゼ発見。以来 “納豆博士”としてTV、ラジオ、新聞などで幅広く活躍中。
更新日/2019.06.20

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