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- エクオールのはたらき
- 臨床研究で示された「エクオール」4つのはたらき
- いくつになっても健康な体をキープするために
エクオールは、大豆に含まれる大豆イソフラボン(ダイゼイン)が、体内で腸内細菌により代謝されてつくられる物質です。
大豆イソフラボンよりもさらに優れたはたらきが期待できますが、産生できるのは、日本人のおよそ半分。残りの半分の方はつくりだすことができません。また、若い世代では、つくりだすことのできる人の割合が減っているともいわれます。
エクオールのはたらき
エクオールには、女性ホルモンに似たはたらきをする"エストロゲン様作用"があります。
エストロゲンが不足している場合は補うように、過剰な場合は緩和するようはたらくため、ほてりやのぼせ、体のだるさといった更年期の女性特有の不調や、PMS(月経前症候群)対策に役立ちます。
そのほかにも、抗酸化作用や、男性ホルモンのはたらきを抑える抗アンドロゲン作用などがあり、特に女性の健康づくりを幅広くサポートします。

【マメ知識】大豆イソフラボンの種類
大豆イソフラボンには、グリコシド型とアグリコン型があり、アグリコン型はさらに「ダイゼイン」「ゲニステイン」「グリシテイン」に分けられます。
- アグリコン型
糖の結合が外れているため、分子が小さく、吸収されやすい。
エクオールは、アグリコン型のイソフラボンから代謝される。 - グリコシド型
糖と結合しているため、分子が大きく、吸収されにくい。
納豆など大豆食品に含まれているのは、ほとんどがこのグリコシド型。
臨床研究で示された「エクオール」4つのはたらき
(1)更年期症状の軽減
日本人女性160名を対象に、1日あたりエクオール10mgを12週間投与。その結果、更年期症状が改善し、特にホットフラッシュおよび首や肩のこりに改善が認められました。

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(2)骨代謝の改善
更年期の日本人女性93名に、1年間エクオールを投与。1日あたり10mgのエクオールを投与したグループで、骨密度の低下が抑制され、骨代謝の改善が示唆されました。
(3)メタボの予防・改善
BMI25以上の肥満の日本人女性54名に、1日あたり10mgのエクオールを12週間投与。その結果、血糖値の指標が改善し、LDL(悪玉コレステロール)値も低下するなど、メタボリックシンドロームの指標が改善しました。
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(4)シワの軽減
更年期の日本人女性101名にエクオールを1日あたり10mg、12週間投与したところ、皮膚のシワが軽減。肌に対する抗老化作用が示唆されました。
いくつになっても健康な体をキープするために
女性は更年期に急激にエストロゲンが減少することで、体の様々な場所に不調をきたします。この時期と上手に付き合っていくには、エクオールの力を借りるのもひとつの方法。
サプリメントなどであれば手軽ですので、毎日の習慣として摂取することをおすすめします。

- 医学博士 蒲原聖可ブログ/
- http://www.dhcblog.com/kamohara/
米国ロックフェラー大学、東京医科大学を経て現在、健康科学大学教授。日本薬科大学客員教授。昭和大学兼任講師。DHC研究顧問。日本統合医療学会理事、国際個別化医療学会理事。主な著書は『ヘルシーエイジングに役立つサプリメント・健康食品』(医学と看護社)、『サプリメント事典 第3版』(平凡社)『必携サプリメント・健康食品ハンドブック』(新興医学出版社)他多数。