期待できるはたらき
胎児の神経管欠損症(神経管閉鎖障害)のリスク低減
妊娠前から妊娠初期に摂取することで、妊娠初期に発生する胎児の先天異常「神経管閉鎖障害」のリスクを遠ざけることができます。
認知症の予防
臨床研究では、葉酸摂取による認知症の予防作用が示されています。軽度認知機能障害(MCI)を有する中国人の高齢者において、葉酸サプリメント投与による認知機能への影響を検証した結果、認知機能関連指標の有意な改善が見出されました。
その他、期待できるはたらき
- 動脈硬化性疾患の予防
- 貧血の予防 など
摂取について
『日本人の食事摂取基準(2015年版)』による1日の推奨量は、30~49歳の成人男性、女性とも240μgです。ほうれん草やレバーなどの食品からとることができますが、熱に弱く水に溶ける性質を持つため、加熱料理では調理中に活性が失われやすかったり損失しやすいので、実際の摂取量は少ないといわれます。そのため、サプリメントでの補給が効率のよい方法といえます。
その他、注目のはたらき
自閉症スペクトラムに対する葉酸サプリメントの有用性を示した臨床研究が、中国のグループから報告されています。自閉症スペクトラム障害(ASD)の小児66名を対象に、3カ月間の構造化教育プログラムを実施し、葉酸サプリメント投与群44名と非投与の対照群22名の2群について、介入の前後で自閉症関連症状の評価が行われました。解析の結果、葉酸サプリメントの投与によって、社会性や、認知言語/非言語、受容言語、感情表現での障害において改善が認められました。